開発編 コラム
ヒルトルのアプリ開発裏話:ブランチを消し忘れて、1万円飛びました
私の失敗談を1つ、恥を忍んでお話しします。あなたが同じ穴に落ちないように。
前の章でお伝えしたとおり、私はVercelでアプリを公開しています。ところがVercel自体にはデータベースがありません。 そこで使っているのがNeonです。
Neonを選んだ理由は単純で、Vercelの管理画面の中から数クリックで追加できるからです。請求もVercelの請求にまとまります。「Vercelでアプリを作る」となったとき、まず候補に挙がるのがNeonなのは、この手軽さが大きいと思います。
さて、事件です。
Claude Codeに開発を任せていると、「ブランチ」という仕組みをよく使います。本番をいじらずに、別の場所で新しい機能を作って、うまくいったら本番に合流させる。安全なやり方です。
そしてNeonにも同じくブランチ機能があります。 本番のデータベースをまるごとコピーした試験用を、一瞬で作れるのです。
私はここを分かっていませんでした。作ったら消さなければいけないということを知らないまま、ガンガン開発を進めてしまったのです。
結果、Vercel経由で届いた請求は約60ドル。日本円で1万円ほどでした。
金額としては、まあ勉強代で済む範囲です。ただ、なぜお金がかかったのかは知っておいてください。犯人はデータの保存量ではありません。
Neonは、ブランチが一定数までは無料で、それを超えると1本あたり月1.5ドルほどかかります。それに加えて、残したブランチのデータベースが眠らずに起きていると、その稼働時間にお金がかかります。 ブランチが増えるほど、この2つが積み上がっていく仕組みです。
Neon自身も公式の解説で、はっきりこう書いています。「ブランチを作って書き込みをして、そのまま忘れてしまった場合、それが料金に効いている可能性があります」。つまり、私と同じことをする人が世界中にいるということです。
対策は2つあります。
1つは、Neonにはブランチの自動削除を設定する機能があるので、作るときに期限を付けておくこと。管理画面から作ると初期設定で1日後に消える設定になっています。
もう1つ、こちらのほうが現実的です。AIに一度だけ、こう伝えておいてください。「作業用のブランチは、本番に合流させたら必ず消して。Neonのブランチも一緒に消して。これは毎回言わなくても覚えておいて」。
AIコーディングツールには指示を記憶させておく仕組みがありますので、一度伝えれば以後ずっと守ってくれます。
この失敗から得た教訓は1つです。「無料で始められる」は「ずっと無料」ではありません。 データベースの会社も営利企業ですから、使えば使うほどお金はかかります。開発を始めた月は、必ず請求画面を見る習慣をつけてください。