開発編 コラム

ヒルトルのアプリ開発裏話:動画配信でCloudflareをやめてBunnyにした理由

  • 『アプリ開発者向けAIツール大全』Chapter 11(ストレージ・動画配信)より
  • 2026年11月5日版

私が開発しているファネルアプリには、動画をアップロードできる機能を作っています。

理由は、あなたにも心当たりがあるはずです。ビデオセールスレター、自動ウェビナー、LPに載せる紹介動画。さらにKajabiやTeachableのような会員サイトとして、お客様が自分の講座動画をアップロードできるようにもしたい。動画はもう避けて通れません。

最初は、Chapter 9のコラムでお話ししたとおり、すでに使っているCloudflareで済ませるつもりでした。Cloudflare Streamという動画配信の仕組みがあるからです。

ところが試算をしてみて、手が止まりました。

Cloudflare Streamは「動画の長さ(分)」で料金が決まります。 保存が1,000分あたり5ドル、配信が1,000分あたり1ドル。画質は一切関係ありません。 4Kで保存しようが480pで保存しようが、1時間は1時間として同じ料金です。

分かりやすい反面、これが怖いのです。もしお客様が増えて、何十時間もある長編のオンライン講座を売り始めたら。試算した数字を見て、「これは膨らむぞ」と思いました。

そこで私が契約したのがBunny Streamです。正直、それまで名前も知りませんでした。

Bunnyは「通信量(GB)」で料金が決まります。 ここが決定的な違いです。

考えてみてください。あなたの動画を見る人の全員が4Kで見るでしょうか。見ませんよね。スマホで、電波の悪い場所で、720pやそれ以下で見る人がほとんどです。画質が低ければ通信量は減り、通信量が減れば料金も減ります。

Cloudflareの方式では、この節約が1円も効きません。Bunnyでは、そのまま請求額に反映されます。

ざっくり計算すると、1秒あたりのデータ量がだいたい13Mbpsを下回るとBunnyのほうが安くなります。 普通の1080pの配信は3〜5Mbps程度ですから、講座動画やセミナー動画ならまず間違いなくBunnyに軍配が上がります。保存料金にいたっては桁が違います。

逆に言えば、超高画質の4K動画ばかりを扱うならCloudflareのほうが有利になることもあります。そこは正直にお伝えしておきます。

なお、Bunnyという会社を知らなくて不安な方のために。運営はスロベニアのリュブリャナにある2014年創業の会社で、8万5,000社以上が使っています。海外のレビューサイトG2でも516件のレビューで5点満点中4.8点。決して怪しい会社ではありません。

動画は、コストの差が最も残酷に出る分野です。動画を扱うアプリを作るなら、契約する前に必ず「自分の場合いくらになるか」を計算してください。私はその一手間で、将来の請求を何分の一かに抑えられたと思っています。